障害者雇用が企業に利益をもたらす
こんにちは。サテライトラボ担当の久米川です。
障害者雇用というと、積極的な企業もあれば、さまざまな事情によってなかなか取り組みが進まない企業もあるかと思います。
今回ご紹介するのは、「障害者雇用が企業に財務的な利益をもたらす」というレポートです。障害者雇用に消極的な企業にとっては、「障害者雇用はオフィス環境や制度の整備にコストがかかってしまう」イメージがあると思いますが、それが覆される内容となっています。義務ではなく、戦略として障害者雇用を捉えなおす必要があるかもしれません。
1.ダボス会議における米アクセンチュアの報告
2019年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)において、障害者雇用をテーマにしたパネルディスカッションが行われました。グローバル企業5社の代表がパネリストとして登壇し、障害者雇用に関する取り組みが発表されました。パネリストの一人、米コンサルティング大手アクセンチュアのジュリー・スウィートCEOの報告を中心にまとめられたレポートが、世界経済フォーラムのブログに掲載されています。
“What companies gain by including persons with disabilities”(障がい者のインクルージョンが企業にもたらす利益)
米アクセンチュアでは、2018年に障害者雇用活動団体と協働で、米国内の企業を対象にした調査を行いました。その結果、障害者雇用が当たり前となっている企業は、業績でも競合他社を上回っているなど、さまざまな好影響が見られました。
・株主総利回りが平均で2倍高くなりやすい傾向にある。
・時間が経つにつれて株主総利回りが競合より4倍高くなりやすい傾向にある。
・4年間の分析結果から平均すると、収益性と価値創造に関しては、競合より収益が28%、純利益が2倍、利益率が30%高くなっている。
・こうした利益は、障がい者への配慮に必要なコストを上回っており、就労配慮ネットワーク(JAN)による別の研究によると、職場における配慮の60%は費用をかけずに行うことができ、一方の40%は従業員1人当たり平均で500ドル(約5万4000円)の費用で行えるという。
・障害者雇用活動団体ワークプレイス・イニシアチブの研究によると、障害者雇用の進んだ企業において、障害者支援プログラムが機能している状況では、離職率も最大30%低くなる。(米国は日本以上に転職が当たり前の社会)
・全米ビジネス障がい者会議(NBDC)による2017年の調査では、消費者の66%が「広告に障がい者が登場する企業の商品やサービスを購入したい」と回答し、また78%が「障がい者でも容易にアクセス可能であることを保障する取り組みを行っている企業の商品やサービスを購入したい」と回答している。
・ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の進んだサプライチェーンは、より高い財務上の利益、ブランド力強化、イノベーションとの相関関係も示されている。
2.障害者雇用における改革を起こすために
以上のような障害者雇用のメリットを理解した上で、実際に企業が変革を起こしていくには以下の4つのアクションが必要だとレポートでは述べられています。
- 雇用(Employ)
組織は、職場や人材のラインに確実に障害者がいなければならない。
雇用主は採用後も、障害者に自信を与え、成長させる取り組みを行わなければならない。 - 可能にする(Enable)
リーダーは、障害のある社員に対し、利用しやすいツール、技術、配慮プログラムを提供しなければならない。企業は、チーム全体で意識や一体感を高めるため、非障害の従業員に対し、障害者社員の利用可能なツールや配慮について学べる、トレーニングプログラムの紹介を検討しなくてはならない。
- 関与(Engage)
企業は、組織全体でインクルーシブな文化を育むために、採用活動、障害の教育プログラム、草の根主導の活動(社内人材グループなど)やイベントを通じて、相互理解を深めることに投資しなくてはならない。
- 地位向上(Empower)
企業は、障害者に継続的な成長や成功を保障するために、スキルアップのプログラムに加え、メンタリングやコーチングを提供しなくてはならない。経営層も含めた社内のすべての階層の役職において、障害者が存在するようにしなくてはならない。
また、リポートの締めくくりとして、
・組織は、障がい者のいるコミュニティにへの固定観念を拭い去るために、DEI(障がい者平等指数)や既存社員による意識調査といった指標を活用しながら、現在の立ち位置を評価しなくてはならない。
・障がい者のインクルージョンプログラム強化のためには、量的・質的に説得力のあるビジネス事例があることをCEOや投資家が理解する必要がある。
・企業が潜在的利益に気付くこと、成功事例を共有すること、よりインクルーシブな人材パイプラインを築く方法を示すことで、障害者の人材をより早く獲得できるようになる。
と述べられています。
3.まとめ
このレポートのポイントは、障害者雇用によって消費者の購買意欲が増し、それによって競合よりも業績が上回るにも関わらず、配慮に対するコストはさほどでもないという、好循環な部分ではないでしょうか。
グローバル企業が障害者雇用に向き合い始めた影響は、いずれ日本の大企業、中小企業へも及ぶでしょう。法定雇用率も今後少しずつ上げられる可能性は高いので、障害者雇用に積極的とはいえない場合は、なるべく早めに理解を深めるための研修などに取り組んだ方が良いかもしれません。
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